農民芸術概論をよんで
永久の未完成これ完成である
理解を了(お)へばわれらは斯(かか)る論をも棄つる
農民芸術概論 より
宮沢賢治はどこまでも、わからない状態にい続けた人なのかもしれない。
理解を了(お)へばわれらは斯(かか)る論をも棄つる というのがすごい。
ほんとうのことは、ほんとうのことと言い切った時点で、
ほんとうのことではなくなる。
だからこそ、永久の未完成であり、
その完成へと向かうその道こそ、すでにもう完成なのである。
つまり完成の状態は、不安定で弱い。
わからない、できない状態こそ、完成であって、
わかろうと向かうこと、できるへ向かっていくことこそ、
完成なのである。
だからこそ、わかっているという自覚、できている自覚こそ僕たちは疑わなければならない。